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情報収集の原点は消費の最前線にある(1)
〜〜負のスパイラルから脱する方法〜〜


 消費の最前線で異変が起きている。
モノ余りに消費不況が加わり、景気低迷が追い打ちをかけ、モノが売れなくなったといわれてきた消費に異変が起きている。
ユニクロが仕掛けた1000円を切るジーンズは爆発的に売れているし、ニトリも売り上げを伸ばしている。
たしかに圧倒的な低価格が魅力で売れているとはいえ、「モノ余り=消費不況」という図式は成り立たないということをユニクロは証明した。
 では、モノは売れないのか。
売れる企業と売れない企業の差はどこにあるのか。

 今春、イオンが全国紙に1面広告を出して「反省」した。
「イオンはお客様が本当に求めている商品やサービスを提供できていませんでした」。今後は「お客さまの声に深く耳を傾け、他の優れた企業から積極的に学びます」と。
 イオンのこの「反省」を、どれだけの企業が真剣に受け止めただろうか。
おそらく大半の企業は「モノあまりだから」「消費不況だから」「100年に一度の不況だから」ということを言い訳にし、売れなくても仕方ないと諦めているのではないか。
 本当にモノは売れないのか。
少なくともユニクロはモノあまりの時代でも売れることを実証した。「お客様が本当に求めている商品」を、求めている価格で提供すれば大量に売れることを証明した。そのことはユニクロに追随したイオンその他の企業でも証明されている。

 「いや、あれは資本力がある企業だからできたことで、資本力がないところには無理だ」
 こんな声が即聞こえてきそうだ。
たしかにそうかもしれない。資本力と海外ネットワークがなければ、1000円を切る価格で大量に供給することは無理だろう。
 しかし、資本力がなければ、大量生産・大量販売でなければモノは売れないのだろうか。
デフレとはいえ安いモノばかりが売れているわけではないし、大量販売でしか売れないわけではない。
適量を適価格で売ることは可能なはずだ。
ただ、なにもせずに売れるわけはない。

 いま売れないといっているところはひと言で言えば努力不足。
なにもしてないのだ、小売業も製造業も。
それで売れるならそんなに楽なことはないが、世の中そう甘くはない。
ユニクロですら努力しているのだから、ほかのところはそれ以上に努力しなければならないだろう。

 努力しているし、毎日頭を捻っている、と言われるかもしれない。
それはそうだろう。努力しているに違いない。
問題は努力の中身と方向性で、これが違えた努力は努力ではなく徒労である。

 例えばモノが売れなくなると人はすぐ新規顧客の開拓が必要といい、新事業、新商品の開発に活路を見出そうとする。
 もちろん、それは重要だし、それを怠ると企業活動は停滞する。
しかし、それには時間がかかる。

 では、どうすればいいのか。

                                              (次回に続く)


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